フェードレ,par Jean Racine(1677). マリアーヌ・ブレース

 フランス文学の歴史は長くて、また多くの有名な作品があるので、(特に詩で)一つだけを選ぶことは本当に難しかったです。どの時代にも本当にきれいで有名な作品があります。19世紀までフランスの演劇は詩の形式で書いてあり、私は詩より演劇が好きなので、演劇の詩をえらびました。
 ジャン・ラシーヌはルイ14世の時の劇作家でした。彼の作品は人間の情熱について語っています。ちょっと読むと、ただの普通の恋の話のように思いますが、実際に素晴らしい心理分析で、今日でも彼が描写する気持ちと行動はよく分かります。私の一番好きな戯曲は『フェードル』(1677年)です。下の抜粋は一目惚れの描写です。一目惚れは、実際には自由と反対かなと思いませんか。そうですね、一目惚れは一般的に危なくてがんじがらめにする愛です。特に、『フェードル』という話では悪い愛について描かれています。フェードルは、お姉さんの昔の恋人、アテーナイの王テゼーと結婚しましたが、テゼーは先の結婚でイポリットという息子を持ちました。フェードルは義理の息子である彼が好きになります。これは、もちろんギリシアの大昔でもいけないことでした。次の抜粋は最初の出会いの思い出を語るシーン。

  

 フランスの詩は韻とリズムを使います。この抜粋で一番目と二番目の詩句は一緒に韻を踏んでいます。そして3番目と4番目にも同じ韻を使います。ここでは体について言葉がたくさんあります。フェードルの体は強度に反応しています。寒さと厚さ、体をコントロールすることが出来なくて、狂気の色も見うけられます。(2番目の詩句)。
 少しの言葉で、ラシーヌは一目惚れの様子と彼女の心情を見事に描写しました。フェードルにとって愛は雷のようでした。その愛の力と危うさをよく共感することが出来ます。そして、一目惚れをした時の行動は皆同じなので、これを読んだら、フェードルの気持ちと心配のもとがよく分かり、義理の息子に恋したフェードルの罪を忘れて、彼女の辛くせつない気持ちを感じることが出来るでしょう。


BACK