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2021.7 社協だより
社協だより目次
令和2年度 松江市社会福祉協議会事業報告・決算報告
新型コロナの感染拡大によって、私たちは今まで経験したこともない状況に追い込まれました。人と人のつながりは分断され、解雇や雇止めにより職を失う人、経済的にも精神的にも不安定な生活を送っていた人たちが堰を切ったように本会に支援を求めて駆け込んでこられました。一時は「野戦場」のようでもありましたが、全職員一丸となって全力で相談者一人ひとりと向き合い支援しました。しかし、いまだ感染拡大は収まらず、市民の皆さんの生活は、不安と危機に脅かされています。最終的にしわ寄せがいくのは、社会的に立場の弱い人になります。本当に困っている人に支援が行き届いているのか、この経験を活かし、これまでの支援のあり方自体も検証していくことが求められてきています。
また、これまでモデル事業として推進してきた「ふくしなんでも相談所」等の地域共生社会の実現に向けた実践を次年度以降の取組みにいかしていく必要があります。そして、地域において生活上の課題を抱える個人や家族に対する個別支援と、それらの人々が暮らす生活環境の整備や住民の組織化等の地域支援をチームアプローチによって展開することで、地域のつながりづくりに引き続き、努めてまいります。
令和2年度は、以下の事業を重点的に取組みました。
1 コロナ禍における貸付相談及び生活困窮者支援
令和2年4月7日、新型コロナウイルス感染拡大に伴い緊急事態宣言が発出されました。多くの市民の皆さんが相談に来られ、かつてないほどの貸付、生活支援、就労支援等の相談を受けました。私たち職員一丸となって対応し、市民の皆さんが少しでも不安を解消でき、生活再建に向かうことができるよう支援しました。ただ、コロナの猛威はいまだ予断を許さない状況です。長引く生活苦に直面している市民のために引き続き相談支援が必要と考えています。一人ひとりに寄り添い、孤立することがないよう相談支援を継続していきます。
2 地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制構築事業の実施
モデル事業最終年度になりますが、昨年度から各地域包括支援センターに配置されたグループリーダーとコミュニティソーシャルワーカー(CSW)が中心になって、地域での生活課題に対応するため、地域住民と協働した地域づくりに取組みました。美保関菅浦地区では病院受診や買い物等への支援を目的とした住民主体の移送サービス事業、乃木地区では農林高校を拠点に生徒と一緒に支援する高齢者の居場所づくり、朝日・白潟地区では地域企業と協働した中央小・第三中学校の生徒を対象とした「あまころエール弁当」の提供等、各地域の生活課題に対応した支援を実践しました。
モデル事業としてスタートした「ふくしなんでも相談所」では、市民の皆様の様々な困りごとに対し、丁寧に寄り添い相談支援を行いました。この実践をベースに次年度からは新たに「重層的支援体制整備事業」に移行し、「相談支援」「参加支援」、「地域づくり」等の事業を一体的に取組みます。
3 地域福祉計画・地域福祉活動計画の実践的推進
第5次地区地域福祉活動計画に基づき、各地区の地域づくりの支援、第5次松江市地域福祉計画・地域福祉活動計画の進めるべき方策について関係機関と連携協働しながら支援体制づくりに努めました。また第5次松江市地域福祉計画・地域福祉活動計画【普及版】を活用して、本会として特に推進していく必要があるテーマについて研修会等をとおして地域福祉計画のキャッチフレーズでもある「福祉でまちづくり」という意識醸成を図りました。
4 地域包括ケアシステム実現に向けた事業の推進
緊急事態宣言下においては、社会的孤立リスクの高い高齢者に対し、地域包括支援センターが中心となって電話や訪問等により生活の不安を少しでも解消し、孤立することなく、つながりを感じてもらえるよう相談支援を実践しました。
「地域ケア会議」「松江市事例検討会」等を開催し、介護支援専門員・サービス提供事業所などを対象に高齢者の介護予防・自立支援の視点に立ったサービス提供や介護予防ケアマネジメント力の向上に取り組みました。
モデル事業として、実証実験的に取組んだGPSを活用した認知症高齢者の見守り支援については、市の政策として事業化することができました。
松江医師会より受託した県の「医療連携推進コーディネーター配置事業」では、医療機関や訪問看護ステーション、行政等と連携しながら、在宅医療と介護が一体的に提供できるよう取組みました。
5 権利擁護支援体制の推進
身寄りのない高齢者への支援として立ち上げた「高齢者あんしんサポート事業」は、令和2年度は、5名の方と契約しました。契約者の皆さんからは「これからのことを考えると不安で眠れないこともありましたが、不安がなくなり眠れなくなることもなくなりました」という言葉もいただき、それぞれの方が人生の最後に向き合い、よりよく生きていくことへの支援を実践することができました。また、新たに2人の市民後見人が選任され、市民ならではの支えあいの延長としての後見活動を実践していただきました。
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