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国際交差点vol.16

国旗

~思いを名月に託して~

国際交流員 写真国際交流員 郭晨然(かくしんぜん)

伝統的な月餅
伝統的な月餅
「但願人長久、千里共嬋娟。」
()だ願わくは人長久(ひとちょうきゅう)に、千里嬋娟(せんけん)を共にせんことを)
これは中国の(そう)の時代(960~1279年)、蘇軾(そしょく)という詩人が1076年の中秋節(旧暦8月15日)に書いた詞で、月をテーマにした詞として親しまれています。詞の中の「嬋娟」とは「月」を指し、弟と4年間会わなかった蘇軾が、家族に会いたい気持ちを名月になぞらえて書き上げた作品です。
中秋節は名前の通り秋の半ばにあり、家族団らんを祝うお祭りで中国の四大祭りの一つです。旧暦で祝うため西暦より1カ月ほど遅れ、今年は9月21日になります。
中国人にとって中秋節の重要な風習は、家族で月見をすることと、月餅(げっぺい)を食べることです。これは、一年で一番明るくて丸い月と円形の月餅が、家庭円満や団らんを連想させるためです。
最近は家族でテレビの特集番組を見ながら、月見をすることも多いです。中国の神話では、月には神様のために薬を作る「玉兎(ぎょくと)」というウサギがいると言い伝えられています。日本では月に餅をつくウサギがいるという言い伝えがあり、中国と日本の間で、共通点もあれば面白い違いもあると改めて感じました。
新しい月餅
新しい月餅
丸くて平たい形の月餅を食べることは、中国全土で共通の風習ですが、南北によって、中に詰める材料がかなり違います。一般的に中国の料理は、「北=しおからい料理」「南=甘味か食材の味」というイメージがありますが、月餅に関しては逆で、北ではハスの実やココナッツなどの甘い具材が入ることが多く、南では卵の黄身や肉など塩気のある具材が入るのが一般的です。
最近は若者の好みに合わせて、新しい作り方や変わった中身の月餅もどんどん出てきています。中身の違いこそあれ、月を見ながら家族へ思いを寄せることは変わりがないでしょう。

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