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市報松江 2011.2
いい音(声)見つけた
タウンレポーター 今井隆良さん(横浜町)

 小泉八雲が日本にきて聞いたとされる大橋を渡る人々の下げ駄たの音やシジミ売りの声…。「知られざる日本の面影」ほど情緒ある音や声とはちょっと違うが、わが家で夜明けと共に聞こえてくる朝の音を紹介したい。
 同じ音や声でも聞く人の体調や自然環境によって聞こえ方も表現も違ってくるので、言葉や文字に表すのは難しい。
 午前3時40分、ガタン、シャ・シャ・シャとエンジン音が響き、新聞配達のバイクがやってくる。やがて、わが家で百年くらい前から時を刻んでいる柱時計がボン・ボン・ボン・ボンと疲れたような音で4時を知らせる。
 東の空が白々し始めると明あけ烏がらすがカア、カアと3、4回鳴きながら白潟天満宮の松に向かってやってくる。途中で屋根や電柱に止まって鳴くカラスはガア、ガアと気味悪く、うるさく鳴き続ける。鳴き声を変えるのは何かの合図なのか。
 微かすかにゴオーン〜、ゴーン〜と余韻を残しながら風に乗って聞こえてくるのは常教寺の鐘の音。ああ、もう5時か。鳶とんびがピーヒョロ、ピーヒョロロと鳴き出すと、先ほどまで鳴いていた小鳥の声が聞こえなくなる。最近、スズメの数が極端に少なくなってきた。
 ゴオーと言う音がだんだん近づいてきて、ガタガタガタ、ゴオーと通り過ぎる。上りの一番列車が5時10分過ぎに松江駅に向かう。
 間もなく、白潟天満宮の太鼓が聞こえてくる。ド・ド・ド・ド・ドン・ドドン・ドン。日によってはデン・デデン・デン・デン・デンと聞こえることもあるのは不思議である。
 まだ布団から抜け出せないでいると、ブウーンと切れ間のない音が近づいてきて、宍道湖の方へ出て行く。少し遅れてザワザワザワ、ピチャピチャピチャとシジミ捕りの船外機が立てた波が川岸の防波堤にあたる音が聞こえてくる。
 天神川や宍道湖が近く、神社、仏閣がある環境に恵まれ、いろいろな音や声を耳にしながら今日も朝を迎えることができたことに感謝。
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