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市報松江 2014.1
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小泉八雲を魅了したこの松江には、時代とともに層を重ねてきた歴史や文化があります。今年の座談会では3人の文化人を招き、まちの魅力やそれぞれの想いを語ってもらいながら、「松江らしさ」を生かすまちづくりのヒントを探りました。

去年を振り返って

―――まず去年を振り返ってもらいましょう。では市長から。

市長 松江開府400年祭の成果を次世代につなげる「平成の開府元年まちづくり構想」を作りました。八雲が感動した松江をもう一度呼び起こして、それを目標にして新しい松江をつくり上げていこう、古いものを大事にしながら、そこから熟成させて新しいものをつくっていこう、それが松江らしいじゃないかという考え方です。
 八雲の関連では、歴史館で小泉八雲の怪談をテーマとした企画展「吉田くんプロデュース 小泉八雲の“KWAIDANかいだん”の世界」を開催しました。FROGMANさんにお世話になった3分間アニメーションは、ろくろ首や耳なし芳一の怪談の途中で「吉田くん(※)」が出てきて大騒ぎをするんですが、発想が素晴らしく、若い人にも印象を残してくれたと思います。松江のCM入りの映画も公開され、FROGMANさんに新しい小泉八雲、松江の切り口を示してもらい、11月には一緒に東京のにほんばし島根館で「怪談のふるさと宣言」をやりました。
 国際的には、9月にフランスで「日仏都市・文化対話」があり、松江の古い文化を一生懸命PR しました。ニューオーリンズとの友好都市提携20周年でもあり、交流団を迎えてリトル・マルディグラというお祭りも開催できました。八雲の原点でもあり、お互いの交流を活発に続けていきたいなと思っています。

※吉田くん・・・FROGMANさんによるアニメーション「秘密結社鷹の爪」の主人公。今月の市報の表紙にも登場してくれました。

―――日本アイルランド協会が50周年を迎え、松江で初めての大会がありました。

小泉 八雲ゆかりの場所の松江でやらせてほしいという依頼があり、市と共催で2日間研究会と、アイルランドの伝統音楽の演奏会をプラバホールで行いました。また、ニューオーリンズは怪談や混交文化という、むしろ負の遺産をプラスに転換させ、資源化しているんですね。松江と非常に響き合うものを感じたし、交流していく上で学ぶことはたくさんあると思いますね。そういう意味では、怪談もFROGMANさんたちのおかげで、新しい切り口で松江の資源として見直すことができました。ゴーストツアーも順調で、一昨年に記念館でやり、日本を巡回していた「小泉八雲のKWAIDAN―怪談―展」がまた松江に戻って島根大学の図書館で開催されました。八雲が「怪談には必ず一面の真理がある」と言っていますが、怪談への人々の関心と、怪談そのものの普遍性をあらためて感じました。

―――FROGMANさんは、3分間アニメや松江吉田くんなど、いろんな形で松江とつながりができた1年間ではありませんでしたか。

FROGMAN 実は僕、島根に住んでいた時代に、八雲に限らず松江の伝承などのアニメ化をプライベートでやっていました(FROGMANさんは東京出身。平成13年に映画ロケをきっかけに島根県に移住)。そして、凡さんとの出会いがきっかけで大雄寺の「あめを買う女」というお話を1分間だけ、頼まれてもいないのに勝手につくってしまったんです。それがアニメ「3分でわかる小泉八雲の怪談」につながったわけですが、松江はものすごくコンテンツにあふれていて、これを眠らせておくんじゃなく、自分もかかわって松江や島根の周知につなげていければいいなと思っていたので、その夢がかなった1年でした。

―――劇団あしぶえでは去年「安寿あんじゅ厨子王ずしおう」が再上演され、今年11月にある「八雲国際演劇祭」に向けてのステップになったんじゃないですか。

有田 原作者の森鴎外は島根の人でありながら、若い人は「山椒太夫」の「安寿と厨子王」をほとんど知らない。けれど、母が最後に歌う「安寿恋しや、厨子王恋しや」は50代、60代以上の方には絶対に懐かしい。私たちがいつも願っているのは、演劇に触れたことのない人に演劇を感じてほしい、体感してほしいっていうことです。そういう意味で喜んでいただけて、去年は本当にありがたい年だったと思います。

出席者(敬称略順不同)

小泉八雲の曾孫、大学教授
小泉 凡
NPO 法人あしぶえ事務局長
有田美由樹
映像クリエーター(アニメ「秘密結社 鷹の爪」作者)
FROGMAN
松江市長
松浦 正敬
松江市広報専門監(コーディネーター)
松本 英史

会場 月照寺(外中原町)

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