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市報松江 2014.2

「新宿、ハーン、松江」
 武蔵野の面影を残す深大寺をひかえた、京王線の調布に住んで30数年。ここには都内では珍しい出雲蕎麦そばの店「八雲」があり、私は月に一度は、ここで割子を食べています。「野焼き」も食べられる数少ない店です。古事記に記載されている「八雲立つ 出雲八重垣 妻 みに 八重垣作る その八重垣を」が木彫りにして店頭に掲げてあります。
 最近、この店の近くの古本屋に立ち寄りました。ふと目に留まったのが、高木大幹著『ハーンの面影』。早速、買い求めて驚きました。ハーンは「怪談」の序文で、こう書いています。『この奇談は、武蔵の国、西多摩郡の“調布村”のある農民が、生まれた在所に伝承された伝説として、わたくしに語ってきかせた説話である・・・・・』。
 京王線の始発駅「新宿」にある京王デパート。ここで限定販売されているのが「新宿八雲」という大吟醸で、蔵元は石橋町の李白酒造。私の実家とは目と鼻の先です。
 「新宿と八雲」は一体どんな縁があるのか。先日、地下鉄「東新宿駅」で知人と待ち合わせをしていた時、駅前の看板地図を何気なく眺めていて、ハッとしました。「小泉八雲記念公園」という字が目に入ったのです。ハーンの終えん の地は、すぐ近くの大久保一丁目。ちなみにお墓は南池袋の雑司が谷霊園にあり、法名は『正覚院殿浄華八雲居士』とのこと。
 年に数回、松江に帰ります。調布に住み、新宿で飲み歩いている私は、ハーンを通してこれほど故郷が近くに感じられるとは思いもしませんでした。近いうちに、公園と墓地を訪れたいと思っています。次の帰省の折には、実家から歩いて15分ほどの旧居にも久しぶりに行ってみます。なにしろ、ハーンは私の母校の英語教師だったのですから。

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松江一中、松江北高、立教大学卒、洋書輸入会社を経て、1987年、ノーベル賞論文を掲載することで世界的に有名なイギリスの科学雑誌「Nature」の日本法人ネイチャー・ジャパン(株)を設立。2013年より同社の顧問。
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