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八雲郷土文化保存伝習施設 その2
 今回は、 当館が所蔵する資料の中で、 館長の私が特に気に入っている民具を紹介させていただきます。
 写真の民具は草刈り鎌です。 偉い人が使っていたとか、 貴重な金属が使われているわけではなく、 どこの家にでも置いてあった何の変哲もない鎌です。
松江市八雲郷土文化保存伝習施設(熊野大社駐車場横) 
松江市八雲町熊野799 電話0852-54-1027
開館時間 9時から17時 土曜日は9時から12時 
休館日 毎週水曜日・祝日の翌日
入館料 大人105円 小人(中学生以下)51円 どこが気に入っているのかというと、大切に使われ続けたその 『思い』 です。 当館では九千点以上の民具を収蔵していますが、ここまで使い込まれた民具はそうはありません。 何度も何度も刃を研ぎ直して使い続けたため、刃先がすり減って形が変わってしまっています。 先人たちのモノに対する愛情が伝わってくる一品だと思います。 これ以上研ぐことができなくなるぐらい使い込まれた鎌は、捨てられることなく家の軒下に取り付ける 雨樋あまどい樋受というけとして再利用されるというから驚きです。
 この鎌を見て、人の感じ方はさまざまだと思います。 「なんでこんな何でもないものが展示してあるのだろう?」とか、「もう使えなくなったゴミ」、何も思わずに通り過ぎてしまう人もおられるでしょう。 どれが正しくてどれが間違っているとは言えませんが、できれば当館の展示を通して「大切に使われていたんだなあ」 と感じていただく方が増えてくれればと考えています。
 使い古された言葉かもしれませんが、 珍しいもの、あるいは貴重なものを展示するだけではなく、 こうした何の変哲もない道具を通してモノを大切にする心を伝えていくのも当館に課せられた使命の一つだと感じています。
 最後になりましたが、当館では収蔵する民具を実際に使っていただく 『ふれあい体験会』 を定期的に開催しています。これまでに 『石臼で作るお団子料理教室』 や『俵編み機で作るタペストリー』 を開催しており、広報などでお知らせしています。 たまには使い古された民具と触れ合ってみてはいかがでしょうか。

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