| 市報松江11月号目次 |

弓射ち  松江城が国宝として再び認められて以降、もろもろの発見、いろんな試みがあった。学人ではないので、この場は催し物を通してあらためて松江城を見ていきたい。

 城と城下町を生かそうと「松江は武者のまち」が行われている。6月4日を武者の日として、城で市民や観光客を相手に「武者を探す」「兵糧丸作り」「弓()ち」など行われた。大人が童心に戻ってキャァキャァ騒ぐ。それにも増して子どもたちが目を輝かせ武者たちと遊ぶ。今までなかった光景だ。

 よく松江市民は松江城に来ない、とか松江城をよく知らないとか言われる。松江城に来るのは花見くらいだろう。それはそれで良いかもしれぬが、数々の催し物は松江城に多くの者が遊びに来るきっかけになったし、日本中から、そして何よりも市民の方が城に強く関心を持ってくれた。松江城に来て見て、そこから松江城とは何か、と興味を持ってくれればと思う。

 松江城に来た、見た。それだけではまだ足りない。ただそれだけだ。楽しんでもらいながら学んでいただこう、知っていただこう、という思いが根底にある。その意味で、9月17日にあった「鷹の爪団のSHIROZEME in国宝松江城」は松江城を日ノ本六十余州に喧伝する良い場だった。なにせ今までどの城も行っていない。実際に現存する天守で、それも国宝で行われるお城の催し物は開びゃく以来松江城のみであり、まさにアッパレである。 子どもも大人も男も女も皆、(よろい)を着て(Tシャツに甲冑(かっちゅう)と書いてる者、本格的な鎧を着ている者もいたが、多くは段ボール甲冑)、ある者は攻め、ある者は守り、城を遺憾なく体現していた。

 ここに大きな門があったのはなぜか、それは少数で効率よく敵を迎え撃つことができるからで、実際に攻め守ってみてそれがよく分かる。遊びながら楽しみながら「城」というのがどれだけすごいものか知るきっかけになったろう。その「城」が一度も壊されず、燃えもせず残っていることのすごさを知るきっかけともなったろう。

松江城と鷹の爪団のSHIROZEME撮影用ボードと本間さん 観光客は日本の文化を知り、市民は自分たちが住んでいる所はどうだったのか、と興味を持ち(多分)、特に松江の子どもたちが、自分たちが住んでいる松江はこういう所だ、と知るきっかけになったと思う。国宝となった松江城を通して知って、学んで、楽しんでいただきたい。

 松江の武者は、それを願う。

コラム
| 市報松江11月号目次 |