市報松江 2017.2

コラム神国の首都Vol.87

健常者のグループと、発達障がい、脳卒中など後天性の脳障がい、認知症のグループ(高次脳機能障がい)があるとします。それぞれに「数字が分からない」「怒りっぽい」など、かなりネガティブな共通の質問をした場合、どんな結果が出るのでしょうか。

次に、学校から帰って夕食と宿題をさっさと済ませて床に入り、10時間たっぷり寝る「寝る子は育つ」タイプと、夕食後、日付変更線を越すまで机にかじりつく「がり勉」タイプ。どっちの子が学力・体力・気力ともに上向くのでしょうか。

脳のメカニズム明らかに

科学が進み、脳のメカニズムがだんだん分かってきました。先に挙げた例は、いずれも脳のメカニズムとかかわっており、その結果に恐らく驚かれると思います。

まず、前者ですが、多くの方が「健常者はノーが多く、一方はイエスが多い」と思われたはずです。ところが、結果は両者とも「ノー」の答えが圧倒的に多いのです。どうしてか。高次脳機能障がいのある方は「自分はまともだ」と思っているからなのです。周囲は「怒りっぽい」と思っているのに、本人に症状の自覚がないから答えは「ノー」となるのです。「私の答えはすべてノーだ」と胸を張っている方、意外と精密検査が必要なのかもしれませんぞ。

発達障がいをまず知ろう

全国で高次脳機能障がいのある方は550~570万人と言われています。特に生まれつきの高次脳機能の障がいが原因の発達障がいは約60万人。児童・生徒数は年々減っているのに増え続け、「感覚的に児童の10人に1人が発達障がい」との松江市内の教育現場の声もあるほどです。症状はさまざまで医療者にも理解しづらい、本人に自覚がない―など対応は難しいのですが、発達障がいがいじめや不登校、自殺、貧困などの原因の一つとも言われれば事は重大です。「自覚がないのは変」でなく、自覚がないのが症状だと家族や周囲の人が知る。これだけでも大きな第一歩であり、発達障がいのある子どもたちには励みになるはずです。

寝る子は脳も心も育つ

次に後者に移ります。結論めいてしまいますが、睡眠はほとんどが脳を休めるためで、脳が十分休んでいなければ、心も体も休んでいないと。つまり、「寝る子は育つ」タイプの子どもは、体だけでなく脳も心も育つというわけです。まさに先人の知恵恐るべし。

睡眠時間と成績が正比例するのはもちろんですが、睡眠をたっぷり取れば記憶をつかさどる海馬(かいば)の体積が大きくなるデータもあります。逆に寝るのが遅いほどイライラし、「自分のことが好き」と答える割合が低く、SNSをやるほど学習した脳の記憶が失われていく調査結果もありますので、念のために。「ノー」とダメ出しをせず、ノウをリラックスさせるこことでノウドウ的な子は育つというわけでございます。

(瑛)


昨年、松江市であった、駒田陽子・東京医科大睡眠学講座准教授の講演「生活習慣・学力と睡眠教育」、橋本圭司・はしもとクリニック経堂院長の講演「地域の子どもと向き合う~発達障がい・高次脳機能障がい支援の現場から~」などを参考にしました。

シリーズ「松江の匠」 【問い合わせ】まつえ産業支援センター TEL60-7101
市は長年にわたり地域産業の発展に貢献された技能者の方々を表彰しています。
平成27年度 松江市手作り産業優良技能者表彰 ナンバー9 井原 隆
石倉造園(佐草町)(功労賞受賞)
推薦団体:松江造園協同組合
高校で造園を学んだことがきっかけで、庭師の世界に入られた井原さん。
仕事では、要望に応えられるようお客さんとしっかりと話すことを心がけ、木それぞれに合った手入れをしながらも全体のバランスが格好良くなるように努めています。
庭木の手入れは自然との仕事で、現場によって工夫しながら作業に取り組みます。
完成した庭を見ながら「きれいになった」「明るくなった」とお客さんに喜んでもらえることが、庭師として一番うれしい瞬間とのこと。
今後も、さらに手際よく、すばやく作業ができるようにと、庭師としての技術向上を目指しています。
28年度松江市手作り産業優良技能者表彰受賞者の皆さま
28年度も各団体から被表彰者推薦を募集し、
選考委員会の審査を経て昨年11月28日に表彰式を開催しました。
受賞者は次の皆さまです。おめでとうございました。
【功労賞(30年以上従事者)】
田中道夫氏(左官業)、安達哲夫氏(左官業)、二岡 守氏(建具製造業)、
曽田耕吉氏(伝統工芸品加工業)、佐藤博志氏(伝統料理)
【奨励賞(15~29年従事者)】
安野 修氏(左官業)、田中紀幸氏(和菓子製造業)、園山武志氏(和菓子製造業)、
山根晴治氏(伝統料理)
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